ルート2の値を自力で出すことはできるか?
正解は「はい」です。
計算方法はとても簡単(メンドクサくないとは言ってない)で小学生でも出来るレベルです。
有名なところですと「開平法」というものがありますが、今回は図形を使って考えてみましょう。
「ルート2」とは
図形で考えるとすれば、「面積が2の正方形の一辺の長さ」となります。
実際には”1.414213562373095……”と延々と続く「無理数」となります。
これを書くのは現実的ではないので、「2乗したら”2″になる値」としてルート2が誕生しました。
ルート2の値の出し方
今回使う手法は、面積を切り出してゆく方法です。
各桁ごとに計算して出してゆきます。
面積が2平方センチメートルの正方形を利用しましょう。
1の位の出し方
まず、1の位から出してゆきましょう。
面積が2平方センチメートルの正方形を用意します。
この正方形の1辺の長さ出せばよいのです。
さて、この面積2平方センチメートルを超えない、1辺が1桁の最大の正方形を切り出します。
この場合、一辺は1cmですね。面積も1平方センチメートルとなるので切り出せます。
仮に一辺が2cmなら、面積が4平方センチメートルとなってしまい切り出せないことがわかります。
0.1の位の出し方
続いて、0.1の位を出します。
残った灰色の部分から、0.1の位として最大の辺を考えましょう。
残った灰色の部分の面積は1平方センチメートルでした。
まずはこの画像のように切り出すと考えてください。
「ア」と「イ」と「ウ」の面積を足して1平方センチメートルを超えなければよいのです。
この場合、頑張って計算すると”0.4cm”となります。
「ア」の部分の面積は、短辺が”0.4cm”、長辺が”1cm”となりますので…
0.4×1=0.4(平方センチメートル)
「イ」の部分も同じ面積ですね。
「ウ」の部分の面積は、一辺が”0.4cm”の正方形なので……
0.4×0.4=0.16
となり、「0.16平方センチメートル」
「ア」「イ」「ウ」合計の面積が「0.96平方センチメートル」となり、ぎりぎり切り出せることがわかります。
これで、0.1の位が確定しました。「4」です。
試しに”0.5cm”で計算してみると「1.25平方センチメートル」となり、切り出せませんね。
0.01の位の出し方
残った灰色の部分の面積は0.04平方センチメートルになっています。
0.1の位を求めた時と同じ方法で0.01の位の最大の数を出してみます。
黄緑の長方形が二つあり、その短辺は0.01cm、長辺は1.4cm。
濃い緑は一辺が0.01cmの正方形なので、その面積を計算すると0.0281平方センチメートルとなり、0.04平方センチメートルに収まります。
これで、0.01の位が確定しました。「1」です。
試しに0.02cmで計算すると、その面積は0.0564平方センチメートルとなり、0.04平方センチメートルには収まりません。
後は、気力が続くまでこの作業を繰り返すだけです。
さいごに
この手法を使うことで、ルート2以外の値も出すことができます……が、実際の仕事でルートを使うような人は計算機やパソコンを使っています。
普通に生活している限り、無理数であるルートの値を手計算で出すことは無いでしょう。
しかし、実は小学生でも理解できる方法で出せてしまうという面白さは覚えていてほしいものです。
なお、文章中で紹介した開平法のやり方は下のリンクを参照してください。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様
コメント
あけましておめでとうございます。
この考え方って、中学生でも無理数の考え方を説明するのにいいかもしれませんね。
最後に残る部分の正方形が必ず残ってしまうことが判れば。
この方法を生徒に紹介しました。
勝手ながら、プロジェクタで黒板に映し出させてもらいましたところ、生徒からの反応は上々でしたことを感謝申し上げます。